2008年5月12日月曜日

人間の土地

人間の土地 (新潮文庫)人間の土地 (新潮文庫)
サン=テグジュペリ

新潮社 1955-04
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おすすめ平均

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おすすめ度★★★★☆

---感想---
サン=テグジュペリ(通称 サンテックス)の十五年間の飛行士としての経験が綴られているエッセーです。

小説と思って読んでいたら、エッセーでした(笑)。

この本は、サンテックスの僚友、アンリ・ギヨメに捧げられています。そのギヨメがアンデス山脈に不時着したときのエピソードが、私の胸にジーンときました。↓

冬のアンデス山脈、しかも氷点下40度の中に不時着したギヨメは食糧も持たず、ピッケルや登山用のロープすらない状態で、意識や記憶を少しずつ失いながら、そして、とてつもない睡魔に襲われながらも「もし、妻や僚友がまだ自分が生きていると信じていたら、ここで歩くのをやめるわけにはいかない」と、自分に対して責任を感じ、五日と四晩歩き続けるという話です。

極限の状況を、自分に対する、或いは彼を待っている人たちに対する責任感で乗り越えてしまったギヨメは、本当に偉大な人だったと思います。

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