2007年9月16日日曜日

ヒストリー・オブ・ラヴ

ヒストリー・オブ・ラヴヒストリー・オブ・ラヴ
ニコール クラウス Nicole Krauss 村松 潔

新潮社 2006-12
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おすすめ度★★★☆☆

---感想---
ポーランド移民のレオポルド・グルスキが若き日に書いた作品、「愛の歴史 ヒストリー・オブ・ラヴ」が国境を越えて2つの愛の物語に深く関わっていくお話。

この作品は3つのお話が同時進行していきます。

一つは↑のレオポルド・グルスキのお話。それから、彼の作品の登場人物にちなんで名前がつけられた少女アルマのお話。そして、「愛の歴史 ヒストリー・オブ・ラヴ」のもう一人の作者!?リトヴィノフのお話。

3つのお話が上手い具合に絡み合って、最後は感動的な出逢いで締めくくられます。

レオポルドとブルーノのやりとりがおもしろい。↓は私の好きな場面です。

年老いたレオがスターバックスで母親と子供のやりとりを見聞きしていてふと思う。<生きているのはすばらしく、永遠の喜びだ>と。そして、そのことを近くの公衆電話で友人のブルーノに伝える。すると今度はブルーノが<生きているのはすはらしい>というメモをレオの家のドアに滑り込ませる。(すばらしいではなくて、すはらしい)

レオがそれを見て「うむむ、その通りかもしれない、それこそ人生をぴったり言い当てた言葉かもしれない」と思う。

そして一言付け足す、<そして、永遠のジョークだ>と。

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