『鶯』

天の川

流れ落ちぬる星の下で

田に舞ふ蛍てのひらに落つ

涼風に

人の賑わふ隅田川の

闇とどろかす花火天晴れ


咲き散るや

春風吹きし校庭に

雲なき空にソメイヨシノが

立籠る

すみれの雲の海原で

夜明け待つらし青富士の峰

鮮やかな

つつじの花の色見れば

蜜のかをれる風は吹くかな

真っ青に

悲しかりける紫陽花を

泣かせつづける雨の音かな

人知れず

道に鳴りゆく風鈴の

わびしさにのみ夏の風吹く

春うらら

雀のさえずり聴き入れば

気づかぬ内に日は暮れるかも


夏空に

真白き雲は流れつつ

永遠にもがなと蝉のおおごゑ


赤とんぼ

山の麓のくさはらに

夫婦(めおと)で飛びぬる恋のくれなゐ


雪合戦

きらきら光る白雪に

負けじ劣らじ笑みは眩しき

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